ミキハウスの
SDGs活動レポート

2025.03.24
小学校2年生の赤ちゃんお世話体験ワークショップ
2月7日に、堺市にある私立はつしば学園小学校の2年生に向けて、「赤ちゃんのお世話体験ワークショップ」を行いました。
授業にあたり、2年生の担任の先生方との打合せを行い、授業を通して、命の大切さ、自分の存在がかけがえのないものであることに気づく、また思いやりの気持ちを育むことを目的として行いました。
児童のみなさんには、事前にご家族に、自分たちが生まれた時の身長、体重、名前の由来を聞いてきてもらいました。
授業の中で周りの友達と共有、その後赤ちゃん人形に名前を付けて、抱っこをしたり、肌着を着せたり、おむつを付け外しするなど、赤ちゃんのお世話を体験していろいろなことを感じてもらう、という流れでした。
赤ちゃんお世話体験ワークショップを出前授業として中学生に向けて行ったことはありましたが、小学2年生という、まだまだ幼い子どもたちにに授業をするのは初めてのことで、児童のみなさんがどのような受け取り方をするのか、何を感じるのか、私たちが伝えたいことがきちんと伝わるのか、少し不安を感じていました。
当日、学校に到着し、廊下で授業の準備をしているとたちまちたくさんの児童たちが集まってきて、
「今日赤ちゃんの授業なんでしょ!赤ちゃん見せて!」と興味津々。先生方にも、
「みんな今日の授業を楽しみにしていたんです。」と教えていただき、どんな授業になるだろうとわくわくしてきました。
いざ授業が始まると、やはり小学2年生、はじめはざわざわとしてこれから何がはじまるのだろう!と興奮した様子でした。
生まれたばかりの赤ちゃんはどれくらいの大きさで、重さはどのくらいか、事前課題の自分の身長、体重と比べてもらうと、平均より大きい、小さい、重い、軽い、ぴったり!など、感想は様々。
きっと自分たちが赤ちゃん人形のように小さかったなんて想像もつかなかったのではないかと思います。
そして待ちに待った、赤ちゃんのお世話体験。お隣同士のペアでまずは赤ちゃんに名前を付けます。
恥ずかしいのか、なかなか名前が決まらない子、はしゃいでおかしな名前を付ける子、それぞれの名前の頭文字から命名する子。
話し合いの間も児童たちは赤ちゃん人形に興味津々で、抱っこしたり、座らせたり、中にはブレイクダンスをさせる生徒も。
私たちからは「赤ちゃんはとっても繊細だから、大切にお世話してあげてね。」と声をかけながら授業を進めます。
抱っこをしてみる体験では、話し合いながら2人で試行錯誤するペアや、赤ちゃんの顔が怖いからできない、となかなか抱っこできないペア、弟や妹がいる子が慣れた手つきでこなすペアなど、これまた反応は様々でした。
でも、はじめはきゃーきゃーとはしゃいでいた子たちも、肌着を着せる体験の頃には、段々と静かになってきて、みんなが徐々に真剣に、集中していくのが分かりました。
赤ちゃんの肌着にはたくさんのひもがあり、全て蝶結びをしなければなりません。
蝶結びは2年生にはなかなか難しいので、それぞれが精一杯できるところまでお世話をし、気づけば授業は終盤を迎えていました。
最後に児童たちに授業の感想を聞くと、「思っていたより赤ちゃんは重かった」「おむつを何回も交換するのは大変だと思った」「難しかった」など、正直に感じたことを教えてくれました。
その中には「お母さんがこんなに大変な思いをして育ててくれた。」という心温まる感想も聞くことができました。
後日寄せられた生徒さんからの感想を少しご紹介します。
*命はない人形でも本物みたいにあつかわないといけないぐらい赤ちゃんは大切だと思い
ました。
*名前をつけるときは、一生つかうプレゼントだからめちゃくちゃ考えるときいてきたけ
ど、こんなことを思って名前をつけてくれたんだなということがわかって勉強になりました。
服を着替えさせる時リボンむすびがむずかしいなと思いました。
ぼくは、いとこの子どもが生後10か月なのでちょっとみせてもらいたいです。
*ママって、こんなたいへんな思いをしてまでそだててくれたんだと思いました。
ママはたいへんなのにたいせつにそだててくれてうれしかったです。
私は普段企画の仕事に携わっています。今回の出前授業を通して、普段関わることのない年代の小さな子どもたちとたくさん触れ合うことができ、率直に「子どもってかわいい!」と感じました。
また、真剣に授業に取り組む様子や、自分の意見を素直に話してくれる様子を見て、とても新鮮で、なおかつ懐かしく自分の子ども時代を思い出し、心に残る貴重な経験になりました。児童たちは幼いながらも、私が想像する以上に深く考えたり、それぞれ様々な気づきを得ている様子で、「まだ小学2年生だから、分かってもらえるかな」という不安は、気が付けばなくなっていました。
私たちの授業を通して子どもたちが、それぞれがかけがえのない存在であること、家族がみんなを大切に育ててくれたこと、周りにいる友達みんなそれぞれ違っていて、それが素晴らしいこと、に少しでも気が付いてくれていたらうれしいです。
そして大人になった私も、普段忘れがちですが、子どもたちと同様に、自分を大切にして、育ててくれた両親に感謝して、友人や職場の人達のことも尊重したいとあらためて思いました。
今回は貴重な経験をありがとうございました!
(SDGs推進委員 上野早穂 企画室)